手元供養の一つとして、遺骨ダイヤモンドが注目されています。
この記事に辿り着いた方のなかには、もともと遺骨ダイヤモンドという言葉を知っていた方も多いですよね。
そこで今回の記事では、遺骨ダイヤモンドについて詳しく紹介します。
遺骨ダイヤモンドとは?

亡くなったペットや亡くなった方の遺骨や遺髪で作るダイヤモンドのことです。
遺骨や遺髪から炭素を抽出し、高温高圧加工を行うことで人工的なダイヤモンドの原石ができます。
その後、その原石をカット・研磨・品質チェックを経て、最後に加工作業を行います。
そうすることで、人工的なダイヤモンド(遺骨ダイヤモンド)が完成するのです。
ちなみに、遺骨よりも遺髪の方が炭素を抽出できる量が多いです。
したがって、業者によっては、遺髪を多く提出することを求められるでしょう。
天然ダイヤモンドと遺骨ダイヤモンドの違い
天然ダイヤモンドと遺骨ダイヤモンドの違いを、下記の表にまとめました。
| 項目 | 天然ダイヤモンド | 遺骨ダイヤモンド |
| 原料 | 地球内部の炭素の結晶 | 故人の遺灰や遺髪を人工的に抽出 |
| 生成期間 | 数億年 | 約3〜6か月 |
| 価格 | 約5〜10万円 / 0.2ct | 約40〜50万円 / 0.2ct |
| 硬度 | 10 | 10 |
| 鑑定書 | GIA・中央宝石研究所など | 各業者が「製造証明書」を発行 |
この中で1番の違いは、価格面です。
遺骨ダイヤモンドは製作コストやジュエリーの加工費用がかかります。
そのため、天然ダイヤモンドに比べて、遺骨ダイヤモンドの方が費用が高いです。
遺骨ダイヤモンドを作る際の注意点
遺骨ダイヤモンドを作る際の注意点は、下記の通りです。
- 遺骨の量が足りない場合がある
- ペットの遺骨ダイヤモンドが作成できない場合がある
それぞれ一つずつ説明していきます。
遺骨の量が足りない場合がある
前提として、遺骨ダイヤモンドを作る際の遺骨の量は、一般的に70g〜400gです。
この量は、故人の遺骨全体の10分の1程度だと言われています。
ただ、分骨してその一部を使う場合は、量が足りなくなるかもしれません。
ペットの遺骨ダイヤモンドが作成できない場合がある
ペットの遺骨の量は、生前の体重の3%〜5%くらいです。
例えば、約3kgの猫や小型犬が亡くなった場合、およそ約90g~150gの遺骨の量になります。
場合によっては、遺骨ダイヤモンドが作れない可能性があります。
ただ、あくまで目安なので、詳しいことについては、その業者に聞いてみましょう。
遺骨ダイヤモンドに関するよくある質問

遺骨ダイヤモンドは怪しいって本当?
先述のように、遺骨ダイヤモンドは、遺骨や遺髪の炭素を抽出して作る人工ダイヤモンドです。
きちんとした製作プロセスを経て、完成になるので怪しいものではありません。
また一方で、「法律的に怪しいんじゃないか?」と思う方も多いでしょう。
結論から言うと、遺骨や遺髪を遺骨ダイヤモンドにするのを禁止している法律はありません。
法律上、遺骨は市町村長の許可なく埋めることは禁止されています。
参照元:https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/seikatsu-eisei16/
ただ遺骨ダイヤモンドは、遺骨を埋めることに該当しないため、法律的には抵触されていないと考えられています。
※遺骨を扱う際には、火葬許可証や分骨証明書など、正式な手続きを経た遺骨であることが前提です。
実際の取り扱いについては、自治体や専門事業者に確認することをおすすめします。
遺骨ダイヤモンドは良くないって言われてるけど本当?
まず前提として、遺骨や遺髪を加工して遺骨ダイヤモンド作ることから、身に付けることに対して抵抗がある方がいらっしゃいます。
また他の遺族の方から理解を得られず、「良くないもの」として反対される場合があります。
それから、遺骨ダイヤモンドが高額で、製作プロセスが不透明なことから「良くないもの」として認識される恐れだってあるでしょう。
ただ、前述のように、法律的には良くないものではありません。
また供養の観点だけで言えば、あくまで手元供養の一つの手段です。
したがって、遺骨ダイヤモンドは心理的な抵抗はあるものの、法律上は問題ないものと言えます。
遺骨ダイヤモンド製作に必要な遺骨の量は?
前述のように、70g〜400gと言われています。
ちなみに、遺骨ダイヤモンド製作で有名なアルゴダンザ社では、400g以上の遺骨が必要とのことです。
参照元:https://www.algordanza.co.jp/pure.html
あくまで目安なので、詳しい量については、各業者に尋ねた方が確実ですよ。
遺骨ダイヤモンドの価格はいくら?
遺骨ダイヤモンドは、0.2カラット(ct)級のもので、およそ40万円〜50万円です。
また、先述したアルゴダンザ社では、0.2カラット(ct)級の539,000円〜の販売価格になっています。
参照元:https://www.algordanza.co.jp/price.html
そこで考えるのは、「遺骨ダイヤモンドより費用が抑えられる手元供養の方法がないのか?」ということですよね。
そのような方におすすめなのは、以下の手元供養の方法です。
- ミニ仏壇
- メモリアルジュエリー
まずは、ミニ仏壇のことについて説明します。
ミニ仏壇

ミニ仏壇とは、棚の上に置く仏壇です。
通常の仏壇に比べてサイズが小さいのが特徴で、高さ30cm〜60cm台までさまざまな種類のものが存在します。
そのため、自分の部屋の広さやスペースを気にせずに置くことが可能です。
価格帯は3万円台〜高級なもので30万円台のものがあります。
メモリアルジュエリー

メモリアルジュエリーとは、大切な故人の遺骨や遺灰などをアクセサリーの中に納める商品です。
少量の遺骨や遺灰などアクセサリーの中に入れて、特殊なレジンで蓋をします。
その後、UVライトで硬化させたら、メモリアルジュエリーの完成です。
ちなみに価格帯としては、シルバーが3万円台〜、ゴールドが20万円台〜になります。
まとめ
遺骨ダイヤモンドとは、亡くなったペットや亡くなった故人の遺骨や遺髪を使って作る人工ダイヤモンドのことです。
多くの製作工程や加工プロセスがあるため、天然ダイヤモンドより費用がかかりますが、唯一無二の想いがこもったダイヤモンドになるでしょう。
目安として、遺骨ダイヤモンドの価格は、【約40万円〜約50万円/ 0.2ct】です。
他の手元供養の方法には、ミニ仏壇やメモリアルジュエリーなどがあります。
したがって、自分の予算に寄り添って選ぶことをおすすめします。
